親知らずの抜歯費用の目安

親知らずの抜歯にかかる費用の目安

生え方で変わる親知らずの抜歯費用

親知らずの1本あたりの抜歯費用は、お薬代（痛み止め・抗菌薬など）を含めて、保険適用の場合はおおよそ1,500円〜5,000円が目安です。

費用に幅があるのは、親知らずの生え方や抜歯の難易度によって保険点数が異なるためです。

一般的に、上顎の親知らずは難易度が低く費用も抑えられますが、下顎の親知らずは神経に近く難易度が高いため、費用が高くなる傾向があります。

※別途、初診料(再診料)、検査費用などがかかります。

保険適用の親知らず抜歯費用

令和6年時点の抜歯費用

普通抜歯：810円（270点）

難抜歯加算：+690円（+230点）（※１）

埋伏歯：3,240円（1,080点）（※２）

※１）歯根肥大、骨の癒着歯(先天的に2本の歯がくっついている歯)等に対する骨の開さく又は歯根分離術(歯根を分割して除去する処置)を行った場合は難抜歯加算とみなされます。

※２）※下顎の水平埋伏智歯の場合は更に+300円（+100点）

※上記は抜歯処置のみの費用です。

参照元

親知らずの抜歯は保険適用になる？

抜歯はすべて保険適用でできる？

抜歯処置は、必ずしも保険が適用されるわけではありません。

たとえば、歯列矯正の一環で行う「便宜抜歯」は、自由診療となります。 これは歯並びを整えるためのスペース確保が目的であり、審美目的とみなされるため保険適用の対象外です。

一方、痛みや腫れなどの症状がある場合や、抜歯が必要と判断された親知らずの場合には、保険が適用されるケースが多いです。

もし、矯正を将来的に矯正を考えているなら、先に親知らずについての診断を受けておきましょう。その際、矯正で親知らずを利用することも稀にあるため、「将来的に矯正を考えている」ことを伝えておくことが重要です。

処置代以外にもかかる親知らずの費用

親知らずの治療に必要な費用

親知らずの抜歯では、処置やお薬の費用だけでなく、初診料（または再診料）・検査費用などもかかります。

抜歯前には、レントゲンやCT撮影による精密検査が必要となることが多く、これは親知らずの生え方や形状、虫歯の有無、骨の状態などを正確に把握するためです。

また、抜歯後の痛みや腫れを抑えるための鎮痛薬や、感染予防のための抗生物質なども処方されます。

親知らずの抜歯費用は医院によって違う？

親知らずの抜歯費用はどこも同じです

歯科には国が定めた点数に基づき、日本全国で共通の費用となる「保険診療」の他に、保険の適用がない「自由診療の治療」があります。この自由診療は医院によって異なるため、歯医者ごとに「高い」「安い」と評判が付くことがあります。

そのため、「あそこの歯医者は安いらしい」などの評判があったも、実は保険診療においてはほとんど変わることはありません。ただし、院内感染防止や緊急時対応という国が定める「施設基準」により、安全な環境を整えている歯科医院では、その分がわずかに点数として算定されることで数十円〜数百円の違いが生じることはあります。

ただし、CT検査が必要な場合、保険点数は大きく変わることがあります。とはいえ、CTを備えている歯医者はそれほど多くありません。そのため、多少危険な抜歯でも、CT無しで行われてしまうケースもあるようです。特に、下顎については、大きな神経が通っているため、多少治療費は上がかかっても、CTがある歯科で検査の上で抜歯をした方が、抜歯後の麻痺や出血のリスクを抑えることができます。

親知らずの相談はお早めに

そして何より大切なのは、親知らずの痛みや炎症を我慢することは決しておすすめできないという点です。

炎症を放置すると、歯ぐきの腫れや膿だけでなく、歯周病の悪化・虫歯の進行・噛み合わせの乱れなど、さまざまなトラブルにつながるリスクがあります。

とくに親知らずは奥に生えていて磨きにくいため、汚れがたまりやすく、放置すればするほど将来的により大きな治療費がかかってしまう可能性もあります。

「抜歯したいけれど費用が心配…」という方も、まずは一度ご相談ください。 早めの対応が、結果的に体への負担も費用の負担も軽くする近道になります。

親知らずの抜歯費用についてよくある質問

Q.複数の親知らずを抜歯すると費用も高くなりますか？

A.はい、抜歯する本数が増えれば、その分の処置費用も加算されるため、費用は高くなります。同日に複数本抜歯することで、診察料や麻酔の費用を抑えられることもありますが、通常はまとめてやるにしても2歯（右側or左側）となります。4本抜歯は食事の摂取が困難になることもあり、入院設備のある歯科医院でなければ、行うことはあまりありません。

Q.親知らずの抜歯費用は医院によって変わる？

A.保険診療であれば、全国どこの歯科医院でも基本的に費用は一律ですので、大きな差がでることはありませんが、施設基準という国の定めた基準を満たしている場合は、感染対策や緊急時対応などの体制が整っている医院として、わずかに加算されることがあります。

Q.親知らずの抜歯費用が高額になるケースってある？

A.高額かどうかはご本人様の捉え方次第ですが、保険適用内での抜歯の場合、1歯あたり700円〜2,000円強程度の差が生じる場合はあります。たとえば、親知らずが横向きや斜めに生えていたり、完全に骨の中に埋まっている場合は、抜歯の難易度が高くなり、その分保険の点数（＝費用）も上がります。そのため、「通常よりは高額」になることがあります。

Q.どんな親知らずでもお金さえ払えば抜歯できる？

A.いいえ、親知らずの位置関係によっては、当院から大学病院や総合病院の口腔外科をご紹介する場合があります。
たとえば、親知らずの根が下顎管かがくかんという、あごの中を通る神経に近いと、抜歯の際に神経を傷つけるリスクがあるため、万が一の麻痺や出血に対応が可能な病院での抜歯が必要となります。
ただし、紹介になったからと言って、麻痺や出血が必ずしも起こりやすいということではありません。ほとんどの場合は難なく抜歯を行うことができますが、患者様の安全を考え、万が一に備えてのご紹介となります。