「虫歯があるのは分かっているけれど、歯医者に行くのが怖い」「忙しくてつい後回しにしてしまう」そんな経験はありませんか?
しかし、虫歯の放置はあなたが考えている以上に深刻な事態を招く可能性があります。最初は小さな穴でも、放置すれば激しい痛みに繋がり、最悪の場合、歯を失うだけでなく、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。
この記事では、虫歯を放置する危険性について、進行度別の症状や治療法を交えながら詳しく解説します。将来のお口の健康を守るために、正しい知識を身につけ、大切な歯と健康を守るための一歩を踏み出しましょう。
監修:
虫歯を放置することは、単に歯が痛むだけでなく、日常生活や全身の健康にまで多岐にわたるリスクをもたらします。軽い気持ちで放置した虫歯が、将来的に大きな後悔に繋がる可能性があるのです。
| リスクの種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 激しい痛み | 神経に達することによる、日常生活に支障をきたすほどの痛み。 |
| 歯の崩壊 | 歯が脆くなり、欠けたり崩れたりして、最終的に抜歯が必要になる。 |
| 口臭の悪化 | 細菌の繁殖や神経の腐敗による、強い口臭の発生。 |
| 治療負担の増大 | 治療が複雑化し、期間が長引き、費用も高額になる。 |
| 全身疾患 | 虫歯菌が全身に回り、心筋梗塞や脳梗塞など全身疾患のリスクを引き起こす。 |
リスク1
虫歯が進行し神経に達すると、何もしなくてもズキズキと脈打つような激しい痛みに襲われます。
この痛みは食事や仕事、睡眠さえも妨げ、日常生活に大きな支障をきたします。
痛み止めで一時的にしのいでも、根本的な解決にはならず、症状が進行してしまう恐れがあります。
リスク2
虫歯菌は歯の表面から酸を作り出し、歯を表面から内側に向かって溶かしていくため、ある日突然歯が大きく欠けたり、崩れたりすることがあります。
歯がボロボロになると、硬いものが噛めなくなり、食事を楽しめなくなります。
最終的には歯の根だけが残った状態(残根状態)になり、抜歯が必要になる可能性が高まります。
リスク3
虫歯によってできた穴に食べカスが詰まり、細菌が繁殖することで、強い口臭が発生します。
神経が腐敗すると、さらに強烈な臭いを発するようになります。
自分では気づきにくい口臭は、周囲の人に不快感を与え、コミュニケーションの妨げになることもあります。
リスク4
初期の虫歯であれば、1回の治療で済むことが多く、費用も比較的安価です。
しかし、虫歯が進行すればするほど治療は複雑になり、神経の治療や被せ物が必要になります。
その結果、通院回数が増え、治療期間が長引くだけでなく、保険適用外の材料を選ぶ場合は治療費も高額になります。
リスク5
歯菌が血管を通って全身に巡ると、心筋梗塞や脳梗塞、敗血症といった命に関わる病気を引き起こす可能性があります。
特に免疫力が低下している高齢者や、持病のある方はリスクが高まります。
虫歯は口の中だけの問題ではすまないこともあります。
虫歯は、放置する期間によって症状が進行していきます。進行度合いは「C」という記号で表され、C0からC4までの5段階に分けられます。ご自身の症状がどの段階に当てはまるか確認してみましょう。
C0は歯の表面が溶け始めた「初期う蝕」の状態で、まだ穴は開いていません。
C1になるとエナメル質に小さな穴が開きますが、この段階では痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
定期検診などで発見されることが多いです。

虫歯がエナメル質の内側にある象牙質まで達した状態です。
象牙質には神経に繋がる管があるため、冷たいものや甘いものを食べた時に「しみる」といった症状が出始めます。
この段階で治療を受ければ、比較的簡単な処置で済みます。

虫歯が歯の中心部にある神経(歯髄)まで達した状態です。
細菌が神経に感染し炎症を起こすため、何もしなくてもズキズキと激しく痛みます。
温かいものがしみたり、噛んだ時に痛みを感じることもあります。

歯の頭の部分(歯冠)がほとんど溶けてなくなり、歯の根だけが残った状態です。
神経が死んでしまうため、あれほど酷かった痛みは一旦なくなります。
しかし、これは治ったわけではなく、細菌が歯の根の先に膿の袋を作り、さらに深刻な問題を引き起こす一歩手前の、より注意が必要な状態です。

虫歯の治療は、その進行度によって大きく異なります。早期に発見すればするほど、歯へのダメージも治療の負担も少なくて済みます。
C0の段階であれば、適切な歯磨きやフッ素塗布によって、歯の再石灰化を促し、削らずに治せる可能性があります。
C1の場合でも、虫歯の部分だけを最小限に削り、歯科用プラスチック(レジン)を詰める簡単な治療で終わることがほとんどです。
虫歯になった部分を削り取り、その部分に詰め物(インレー)をします。
詰め物の材料は、保険適用の金属やプラスチックから、審美性に優れたセラミックなど様々です。
型取りが必要になるため、通常は2回程度の通院が必要になります。
神経まで達した虫歯は、感染した神経や血管を取り除き、根管の中を清掃・消毒する「根管治療」が必要になります。
この治療は非常に精密で、数回の通院が必要です。
治療後は、歯が脆くなるため、土台を立てて被せ物(クラウン)を装着します。
歯の根しか残っていないC4の状態では、多くの場合、歯を残すことができず抜歯となります。
歯を抜いた後は、その部分の機能を補うために「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」のいずれかの治療法を選択することになります。
| 進行度 | 主な症状 | 一般的な治療法 |
|---|---|---|
| C0〜C1 | ほぼ無症状 | フッ素塗布、レジン充填 |
| C3 | 冷たいもの・甘いものがしみる | 詰め物(インレー) |
| C3 | 激しい痛み | 根管治療、被せ物(クラウン) |
| C4 | 痛みが消える、歯が崩壊 | 抜歯後、ブリッジ・入れ歯・インプラント |
虫歯は口の中だけの病気ではありません。口の中の細菌が血流に乗って全身に運ばれることで、様々な深刻な病気を引き起こすことが知られています。これを「歯性病巣感染」と呼びます。
上の奥歯の虫歯を放置すると、歯の根の先に溜まった膿が、鼻の横にある空洞(上顎洞)に広がり、副鼻腔炎(歯性上顎洞炎)を起こすことがあります。
また、細菌感染が顎の骨にまで広がると、骨に炎症が広がる顎骨骨髄炎という病気になることもあります。
虫歯菌が血管内に入り込むと、血管の壁に付着して炎症を起こし、動脈硬化を促進させることが分かっています。
これにより形成された血栓(血の塊)が心臓の血管を詰まらせれば心筋梗塞、脳の血管を詰まらせれば脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。
虫歯菌が血液中に入り込み、全身で異常な炎症反応を引き起こすのが敗血症です。
敗血症は非常に重篤な状態で、多臓器不全などを引き起こし、重篤な状態になるリスクもあります。体力や免疫力が低下している場合は特に注意が必要です。
「あれだけ痛かった虫歯が、最近痛くなくなった。自然に治ったのかな?」そう思うのは大きな間違いです。痛みが消えたのは、症状が改善したのではなく、むしろ悪化しているサインであり、最も危険な状態に移行したことを意味します。
| 痛みが消えるメカニズム | 潜んでいる危険性 |
|---|---|
| C0歯の神経が死んでしまう(壊死) | 細菌は残り、感染が進行し続ける。 |
| 痛みを感じる機能が失われる | 顎の骨が溶かされ、膿の袋が作られる。 |
| 症状が一時的に落ち着く | 細菌が血管を通じて全身に運ばれ、重篤な病気を引き起こす。 |
虫歯が神経まで達し、激しい痛みが続いた後、その神経が死んでしまう(壊死する)と、痛みを感じなくなります。
しかし、細菌がなくなったわけではなく、歯の内部では感染がさらに進行しています。
死んだ神経は腐敗し、歯の根の先に膿の袋(根尖病巣)を作ります。
この病巣は、自覚症状がないまま静かに大きくなり、周りの顎の骨を溶かしていきます。体の抵抗力が弱まった時に急に腫れたり、激しく痛んだりすることもあります。
根尖病巣にいる細菌は、常に血管を通じて全身にばらまかれている状態です。
これが、先述した心筋梗塞や脳梗塞といった全身疾患のリスクに直結します。痛みがないからといって放置することは、見えないところでリスクが進行している状態と言えます。
虫歯を放置することは、痛みや口臭だけでなく、歯を失い、さらには心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めるリスクの高い行為です。
痛みが一時的になくなったとしても、それは治ったのではなく、より深刻な状態へ進行しているサインです。
この記事を読んで、少しでも不安を感じたなら、どうか勇気を出して歯科医院を受診してください。早期に治療を始めることで、あなたの歯と、そして全身の健康を守ることができます。まずは相談だけでも構いません。専門家である歯科医師が、あなたの状況に合わせた適切な治療法をご提案します。
この記事の編集・責任者は歯科医師の佐々木大地です。
歯科医師 佐々木 大地

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